リテイクって悪いこと?いいえ、必ず5%の方はリテイクになります!

2021年5月15日外注について, 音声作品をつくろう!

リテイク≠悪

依頼者様にとっては、
思ったものではなかった・・・
指摘するのも勇気がいる・・・けど手直ししたい・・・
などとガッカリ感が拭えないものですよね。

声優にとっても、
自分の演技に満足してもらえなかった・・・
このリテイクはあちらの過失にあたるんだけどちょっと言いにくい・・・
意味が通らないレベルの読み間違いとかは仕方ないけどね!
といった感じで、あまりいい思いはしないものです。

ですが、年間100件以上のご依頼をお受けし、サンプルを蓄積しているなか、リテイクはあって統計的にあって当然のことだという結論に至ったのです。

 

兎月りりむ。の収録方針

そもそも、リテイク≠悪 の説明には、収録方針をご紹介するところのご説明が必要になります。

まず、依頼者様の要望と声質・演技を擦り合わせた上で、ターゲットのユーザーさん100人が聴いたときにうち95%(2σ 区間)が快く思うものを一次納品することを目指しています。
※とても細かいお話ですが、統計学でいう正規分布の考え方に基づいています。

もちろん当初から99.7%(3σ区間)ができればそれに越したことはないのですが、「誰が聴いても良いもの」は統計学的にも論理的にも存在しませんなぜなら、人それぞれ持っている前提、それまで経験してきた”正しい”とされるものの基準は異なるからです。

現実には台本記載の演技指示を仮読みし、事前の打ち合わせで質問をさせていただきながら、
・この場面ではこういった演技
・この文脈ではこういう句アクセント
ということを読み取り、ユーザーさん95%が快く思うものを目指して収録を行います。

 

リテイク発生の確率はご依頼全体の5%

例えばアクセント1つとっても、アクセント辞典記載の単語レベルのアクセントと、言葉が連続した際の句アクセントが異なることもあります。
また、口語的表現・登場人物の属性により、さらにそれが変化する場合も多々あり「この場面ではこれが95%の人にとっては自然だろう」と推測されるものを収録しています。
特に私自身が迷った際は、数パターンを収録することもあります。

こうして収録をさせていただいたものを依頼者様に一次納品をしますが、「演技指示の不足があってイメージしたものになっていなかった」「この部分の句アクセントが自分には不自然に聴こえる」という理由でのリテイクがご依頼全体のうち5%程度で発生します。

”リテイク発生は依頼者や声優にとって悪いこと”と思われる方もいるかもしれませんが、事前の打ち合わせで出来るのは95%(2σ区間)が限界だと、統計学でいう正規分布の考え方に基づいて捉えていますので、ご依頼件数のうちリテイクが5%はあることは論理的に当たり前であることだと考えています。
(実際には、リテイク発生時でも台本全体のうち1%以下の文量がリテイク対象になることが平均的です。)

なぜ5%のわかりきったリテイクなのに有償なのか?

一言で言えば、95%のご依頼では有償リテイクは発生しないにも関わらず、5%のリテイクで発生するリテイク費を95%のご依頼に配賦するのは不公平を生むからです。
※リテイク基本料金をそもそもいただく理由は、別記事 なんで声の依頼に基本料金ってあるの? で詳しく解説をしているので省略します。

リテイクは悪いことではない、ご依頼の5%ではあって当然のことと重ねて申し上げます。
もし、ご自分が5%になってしまったら、「むしろチャンスだ!」と思うべきほどです。
なぜなら、他の95%のご依頼で兎月りりむ。が行う標準的な演技や句アクセントと異なる音声となり、それは巡り巡って音声作品を聴くユーザーさんにとっての新しい発見・新鮮さになる可能性を秘めているからです。

総括しますと、統計的にご依頼の5%しかないとはいえ、音声作品のご依頼予算に追加で4000円ちょっと(基本料金3000円+リテイク文字数)を準備しておいていただくことを推奨しています
もちろん、兎月起因のリテイク(読み間違いや台詞抜けなど)は無償で承りますので、ご安心ください。

補足:アクセントについて

アクセント辞典にすべて準拠して読み上げると不自然な日本語になります。(アクセント辞典はアナウンサー的な正解であるため、音声作品のような口語的な演技に適用すると不自然になることが多々あります)
そのため、実際の収録では、場面・キャラクター性に適した発話全体の音調を調整しながらアクセントを選定し読み上げます。
ですので、アクセント辞典と必ずしも一致する発音にならない場合があります。ご了承ください。
また、語や句の組み合わせで韻律やアクセントが変化することはご承知のとおりかと思いますが、「100%正しいとされる音調の変異」は人によって異なるというのが現状です。
ですので、必ずしも依頼者様の考える「正解」の発音を提供できない場合があります。
リテイク依頼をいただいた場合、声優の主観では判断しきれないケースがほとんどのため有償/無償の判断には兎月は一切関知いたしません。
代わりに提携エンジニアにチェックを依頼し「録り直しが必要であるレベルで不自然」と判断された場合のみ無償リテイクを行います。
「このままでも多くの人(95% 2σ区間)にとっては問題ないであろう」と判断された場合は有償リテイクオプションのご案内となることがあります。ご了承ください。

Posted by 兎月りりむ。