耳舐め音ってマイク舐めてないって本当?理想の耳舐め音を依頼するためのハウツー

外注について,音声作品をつくろう!

耳舐め音ってどう出してるの?

耳の模型がマイクについているタイプの「バイノーラルマイク」で収録します。
舐めると言うぐらいなので実際にマイクを舐めているのでは…と勘違いしがちですが、
実はマイクを直接舐めはしないのです。
マイクそのものは精密機器、スマホと同じで湿気というものに非常に弱いです。
特に、バイノーラルマイクに一般的に使われているタイプのマイクは、より湿気に弱いとされています。
つまり、通常「マイクを直接舐める」という手段は不可能なんです。

では、どう耳舐め音を出すのか。
正解は、、、
マイクにそこそこ近付いて、口をもごもごさせて頑張って耳をなめてる感じがする音を出します。

「えっ!?本当に舐めてないんかい!」

と思ったあなた、喘ぎ声も台詞も全て演技の二次元音声作品で、マイクだけ本当に舐めているわけないじゃないですかー!!

「な、なんだってー!!!」

 

耳舐め音って誰でもできるもの?

機材さえあれば誰でもできます。
ただし、
「○○って作品のゴリゴリした感じの耳舐め、やってください!」
と言われて10人いたら10人できるかというと…。
それはかなりの確率でNOです。
最近YouTubeなんかでも耳舐めASMRが流行っているので、
機材さえあれば誰でも「特徴のある耳舐め」ができると勘違いされがちですが、実は結構難しいんです。

実際に舐められている感を演出しようとすればするほど、その難易度は上がります。
テキトーにやっただけだと、「ただ耳元で水音が鳴っている」状態に陥りがちです。
テクニック面の話をしましたが、耳舐め音の最終的な仕上がりは収録テクニックだけの問題には留まりません。
機材そのもののスペックであったり、形であったり、音声編集ソフトでの加工であったり、その全てが「最終的な耳舐め音」の仕上がりを決定づけます。

そしてこれらにまつわる詳細な情報は、あまり公開されていることがなく、そのほとんどが企業秘密状態になっているのが現状です。(もちろんうちも企業秘密だよ💕)
私自身「耳舐め」を極めるために、かなりの試行錯誤を繰り返しました。
時間もお金も相応にかかりました。そして未だに研究中でもあります。研究用にぶっ壊したマイクは数しれずなわけで・・・
そのおかげか、最近のDLsite出演作品のレビューでは必ずといっていいほど耳舐めに対する高評価をコメントいただけています。ありがとうございます!!!
音声作品全体をみていても、耳舐めを含む作品は数多くあるものの「実際に舐めている感のある耳舐め」が含まれている作品って結構貴重です。(そこがすごい時は、耳舐めに関する高評価レビューの嵐なことが多いですよね。)レビューは正直…!こういう現状を見ると「リアル志向な耳舐め」はもはや特殊技能と言ってもよいかもしれません。

以下実際にいただいたレビュー✨
(意図した通りに受け取ってもらえたようで本当によかった…嬉しすぎる…)

 

 

 

セリフ読みと耳舐め演技どっちが疲れる?

私の場合は普通のセリフ読みより余程体力を消耗します。
「これだ」という音を出すために微細な調整を繰り返すからです。
耳心地の悪い舐め音が混入しないようかなり気を使って収録しています。
(さらに納品前にダブルチェックをかけてノイジーな音のカットを行っています)

 

ご存知でしたか?耳舐めはマイクへの負担が大きいんです!

先程、耳舐め演技をする際にマイクを実際に舐めるわけではない、という話をしました。
とはいえ、それを差し引いても耳舐め演技というのはマイクへの負担が大きいんです。
人間の吐く息には多かれ少なかれ「呼気」が含まれています。呼気ですから、当然湿気を含みます。
耳舐めの場合はマイクにかなり近付いての収録になるので、呼気がマイクに多かれ少なかれ当たり続けます。だから、マイクへのダメージは通常の収録よりも大きくなるんですね。

耳舐めを極めるために試行錯誤した結果分かったことなのですが、
やはり長時間連続で耳舐め演技をし続けると、マイクにノイズが乗ることがありました。
「じり…じりじり…」といったタイプのノイズです。
これはマイク内の部品に湿気が付着し、そのため発生してしまうノイズです。
これが長期間続くといずれはマイクも使い物にならなくなります。
湿気と金属ですから、当然酸化もしますしね。自転車と同じ。

最初は単なるマイクの不具合かと思っていたのですが、仮説を立てて検証し続けた結果、やはり原因は「呼気」によるものだと突き止めることができました。
せっかく買ったマイクを長く使いたい気持ちはもちろんありますが、マイクの寿命を削ってでも提供したい音が私にはあります。
対策はもちろん講じているものの、半分は短期間での故障を覚悟しながら耳舐めのお仕事は承っている状態です。※100万円マイクのKU100が故障する日はドキドキですね…

 

特殊な耳舐め音に特化した作品を作りたい方へ

DLsiteを見渡すと、鳥肌が立つような「耳舐め音」を扱った作品がいくつかありますよね。
ああいった音に惚れて「自分でもあんなの作りたい!」って思うこと、あると思います。
すごく分かります。私の耳舐め道も原点はそこです。だから研究してます。

ただ、ああいった「本当に特殊なタイプの耳舐め音」を、宅録でオーダーするのはかなり無謀だと理解しておくことをおすすめします。
耳舐めらしい耳舐めが録れるマイクは通常、100万円のKU100始め数十万~のものが多いです。
そんな高価な機材がすぐ壊れるような使い方、あまりしたくない人のほうが多いのはもうお分かりいただけると思います。

一方、リアルタイムで指示ができるスタジオだからできるかと言われると、それも難しい&疑問です。
※指示する側が耳なめプロフェッショナルでないのに、指示して声優を耳舐めプロにその場で育てあげることができるのか?
※不特定多数の声優が使う数十万円マイクを無理な使い方で酷使することをスタジオが許可するのか?

また、大ヒットしている「耳舐め特価作品」の舐め音は、機材を揃えるだけ、テクニックを鍛えるだけで再現するのはかなり難しいです。
というのも、ほぼ確実に機材そのものを魔改造していたり、収録後にもデータそのものを魔改造しているパターンが見受けられるからです。
魔改造というのは、音響関係の職業にでもついていない限り分からないタイプの加工を施しているということです。
この記事を読んでいる方は、「耳舐めは聞いたことあるけど、収録&編集についてはあんまりよく分かってない」人だと思います。
その前提からすると、恐らく私の言う「魔改造」は一朝一夕では実現できない手段だと思うのです。
だからこそ、「特殊な耳舐め音特化」作品を作ろうとしているそこのあなた!
一旦落ち着いてこの先を読んでほしいのです。

 

それでも耳舐めにこだわって作品をつくりたいの!という方へ

大丈夫ですよ。ちゃんとこだわって作ることはできます。
先程少し耳舐め好き族にとっては雲行きの怪しい話をしましたが、安心してください。

皆さんそれぞれに思い思いの「こんな耳舐めが好き!」があると思います。
そしてその、あなたにとっての「THE耳舐め」は、きっとどこかの誰かの演技だったはずです。
その思い出の声優さんにぜひ依頼をかけてください。

というのも、収録時の耳舐めテクニック部分だけなら、ある程度の環境が揃っていれば再現できるからです。
例えばですが、兎月りりむ。であれば、兎月りりむ。出演の○○という作品でやっていた耳舐めの演技は、別の作品でも同様の演技をすることができます。
兎月りりむ。は基本的に宅録スタイル(うづりむスタジオ)であり、機材も自分のものです。
現在発売されている兎月りりむ。出演作品の耳舐めは、すべて今現在も再現することができます。

これは何も私に限った話ではなく、他の声優さんもそうだと思います。
そういう意味で、兎月りりむ。の耳舐めが気に入ったのであれば、ぜひ兎月りりむ。にご依頼ください。
耳舐めは特殊技能です。声優Aがやっている耳舐めは、必ずしも声優Bができるとは限りません。
「こんなニュアンスの耳舐め音がほしい!」とオーダーすることはもちろんOKですが、収録環境が異なる別の声優が録った音とまったく同じ音をお願いしますという要望は非常に難しいので考え直す必要があります。

 

完全なる夢物語ですが、

YouTubeで信じられないぐらいマイクを痛ぶっている(笑)作品、見かけますよね。
防水マイクなんていうのも最近あるみたいですね。すごい。欲しい。
ああいうマイクにダメージのある類のチャレンジングな収録を声優にお願いしたいってこともままあると思います。
マイクを直接舐めるだとか、水に入れるだとか、なにか付属品を使うだとか。
もし私がこういう夢を実現しようと思うなら、以下のような条件を揃えると思います。

・自分のトリッキーな依頼用の機材費を報酬に入れる(声優自身の機材は使わせない)
・または魔改造済みの機材を「最悪壊れてもいい」という覚悟で声優に送る
・特殊なセッティングが必要な場合は、その手間賃も報酬に入れる
・トリッキー過ぎていくら見積もっても工数が謎なはずなので、確保する日数に応じて報酬を上乗せ、アウトプットが想定以下でも許容する

このぐらいしないとなかなか受けてもらえないだろうなって思いました。
一度はやってみたいかも、ですね・・・笑
一ヶ月分ぐらいの報酬を払って、一ヶ月まるまる自分の依頼のために試行錯誤してもらうとか…??
どんな結果が出てくるか分かりませんのでギャンブルちっくではありますが、楽しそうではあります。
「本当に今以上のものを出せるだろうか」と悩むので、これだけの条件を揃えられても受けるかどうかは悩んでしまうと思いました笑
やるからには結果を出したいですしね…結果が出るまで続ければそれは結果は出るでしょうけど、依頼者さんの時間も資金も無限ではないので受注を受ける側としては悩みどころです。
最悪ポシャってもいいから共同研究してくれと頼まれても、やはり迷うと思いました。

 

さいごに

知っているようであんまり知らない耳舐めの世界!
いかがでしたでしょうか?
これから耳舐めを作品に取り入れたい方、耳舐めをやってみたい方、とにかく耳舐めに興味のある方皆さんにとって何らかのヒントになれればとても嬉しいです✨

Posted by 兎月りりむ。