創作には準備が命!「ガチガチに準備すると奇跡は生まれない」って本当?
目次
「準備をしすぎると、良い創作物ができない」って本当ですか?
- 良い創作物をつくるためには、奇跡の瞬間の積み重ねが必要。
- 準備をしすぎると、決まりきったものしか生まれず、奇跡の瞬間が生まれない。
- だから、準備はそこそこに創り始めちゃってOK!(走りながら考えちゃえばOK!)
ということって、一見正しそうに見えませんか?
「とりあえずつくってみてください!そこからフィーリングで良いのを見つけます!」
「イメージはまだあんまり無いんですが、何パターンかまず提案してもらえませんか?」
「それなりに準備したから、あとは適当でもやってみてから修正すればいいでしょ!」
と言われたことや、言ったことはないでしょうか?
これ、明確に間違っていると今なら断言できます。
そもそも「準備」って何のためにやること?
「準備」という言葉があります。準備は、何かをする前に行うものですよね。
失敗しないため、より良くするため、取り掛かれるようにするため、そのために行うのが準備です。
「全ての準備をする」これは不可能ですよね。
全知全能であれば未来で何がおこるか、そのために今何をしておくべきかがわかるかもしれません。
でも私たちは人間ですから、未来を完全に把握することはできないわけです。
でも「じゃあ別に準備なんかしなくてもいい」というわけではありません。
1.準備できること(想定内)、2.準備できないこと(想定外)に切り分けることはできます。
1.準備できること(想定内) は、過去の経験や学んだこと、それらをベースに考えることで作ることができますよね。
2.準備できないこと(想定外) は、全くわからない不確定な未来です。ここには想定外の奇跡の一瞬の可能性が存在します。
さて考えてみましょう。
「準備はそこそこに創り始めちゃってOK!」というのはどういうことなのでしょう?
そうです。
1.準備できること(想定内) と 2.準備できないこと(想定外)
がごちゃごちゃになっている状態ですよね。
本当は想定内のはずなのに、ちゃんと準備をしていないせいで想定外になってしまうものが多いとも言えます。
想定外のなかには、これまで考えたこともないような奇跡の一瞬が生まれる可能性があります。
せっかくの奇跡の種が入ったカゴのなかに、普通の種が大量に入っていたらどうでしょうか?
何が奇跡の種なのか、見つけるのってめちゃくちゃ難しくないでしょうか?
「ガチガチに準備すると奇跡の一瞬が生まれない」が間違いであると言えますよね。
「走りながら考える」が気持ち良いのはなぜ?
残念ながら「走りながら考る」というのはぶっちゃけ気持ちの良いことです。
気持ち良さの正体は、奇跡でも何でもないことを「すげえ!」と大喜びできる回数が増えるからでは…と思うのです。
IT開発ではアジャイルと称して「走りながら考える=準備はそこそこに繰り返す」ことが推奨されているのは残念なことだと思います。
まだリリースもしてないのに仕様が変わり同じ画面を何十回も書き換えるという辛い仕事の思い出が蘇る。
大元のアジャイル宣言では、そんなことは一言も書いてないんですけどね…。アジャイルソフトウェア開発宣言:
https://agilemanifesto.org/iso/ja/manifesto.html
「奇跡の一瞬を取りこぼさないための大原則」とは?
クリエイティブでない仕事でも、クリエイター活動でもこの大原則は共通していると思います。
- 既にわかっていることはしっかり準備して、本当の想定外(奇跡/大失敗)だけをすぐ発見できるようにしておく。
- 本当の想定外がおきたら、それが良いことでも悪いことでもすぐに発見して対処する。
- 対処した経験をもとに、次はそれが想定外にならないようシステム(仕組み)を改善する。
アジャイルと言うならば、このサイクルを繰り返すことこそ本当のアジャイルなのでは?と思います。
クリエイター界隈であまりこの[アジャイル]という名の「走りながら考える」が流行ってないのは幸運ですが……
イラストレーターへ適当に発注してやり直しを無償でさせるなどのトラブルなど良く聞きますよね。
アジャイルと言わずに「走りながら考えさせる」をし、それで迷惑を被っているフリーランスの図は多くみかけます。ここまで読んでいるあなたはもうわかっているはず……
宅録でもスタ録でも「準備は適当、当日その場で考えればいいじゃん」にはしませんよね!
声の依頼も、イラストの依頼も準備が肝心
人間も生き物ですから、なるべく楽をしたくなってしまいますし、気持ちの良いことは大好きです。
「走りながら考える」は気持ちの良いものですし、目先の快楽にはみんな弱いものです。
でも、目先の快楽で気持ちよくなるよりも、我慢して我慢して最後に盛大に良いものをつくれる方が気持ち良いですよね?
音声作品はそんな大事なことを私たちに教えてくれるわけです。
同人音声.com 兎月りりむ。への声の収録依頼については、
台本ガイドラインを始め、各種ガイドラインで入念すぎるほどに準備をすることを推奨しています。
これらの各種ガイドラインは各方面でお話をさせていただいているように、
- 不要に収録工数が増えること(視認性が極めて悪い台本形式など)を防ぐ
- それに応じた収録報酬を最もリーズナブルな価格にする
という金銭面でのメリットがあります。そしてそれに加えて、
- しっかり準備をしてもらうことで、本当に想定外のことだけが明確に見えるようにする
- 本当に想定外のこと(演技表現など)に特に注意力を割いて取り組めるようにし、奇跡の一瞬を生み出す
という今回お話したことを実現するため、研究に研究を重ねたものとなっています。
実際にはお申し込みをいただいてからは、記事では一律に表現できない打ち合わせを個別に行うことになります。
ぜひ、ご一緒に音声作品を制作していきましょう!ご依頼お待ちしております!
さて、音声作品には声と同じかそれ以上に重要なのはイラスト発注です。
こちらも、みなさんが想定外のことを極力少なくして発注ができるように記事を寄稿していただきました。
イラスト発注の際には、ぜひこちらをハンドブックにしてみてくださいね!