ノイズってどうやって消せばいいの?
音声データにSEを組み込んでいく前に、やらなければならないことがあります。
もらったデータの下ごしらえです。
料理でいったら、野菜の土を落としたり、皮を剥いたり、そんなところです。
これをしっかりやらないと、仕上がりに大きな差が出ます。
カレーが出来上がってお皿に盛り付けてから、野菜の皮を剥いたりはしないですよね?
目次
ノイズってそもそも消さなきゃいけないの?
答え:その限りではない。
ノイズって聞くとマイナスなイメージですけど(実際意味もマイナス)、プラスに働くこともあります。
臨場感を表現したり、音に奥行きを産み出したり・・・。
逆にノイズを使って異なるデータの質をなじませることもできるらしいのです。(私はまだ出来ない)
というわけで、消したら消しただけ良い、ということでもないんですね。
何事もほどほどに。ということです。
例えばですけど、筆者はコンデンサーマイク収録作品なら、ノイズは完全に取り除いたものが好きです。
逆にバイノーラルマイク収録作品なら、ほどほどにノイズが残っている方が好き。ようは、好き好きです。
最終的に視聴したときに、耳心地がよければノイズがあろうとなかろうと、どちらでもよいのです。
ノイズの除去はほどほどに。
何が言いたいのかというと、「最初から質の良いデータを使ってください」ということです。
声がメインの「ナレーション作品」って、基本的にはBGMやら何やらを駆使して音の質を誤魔化すことができないんです。
楽曲だったら多少ボーカルの音質が悪くてもinstと重ねて粗を隠せたりしますが、ナレーションものはそうはいかない。
だからこそ、なるべく最初から質の良い綺麗なデータを使用してください。
基本的には、ノイズを除去するとしただけ、全体の音質も劣化していきます。
このことを肝に銘じて、ほどほどに作業を行いましょう。
どうだったら質の良いデータなの?
良いも悪いも基準が無いと分からないですよね。
ですから、思い切ってここで定義してしまおうと思います。
①ざー、さーといったノイズの量が少ない(一番大事)
②クリップ(音割れ)していない
③エアコンやパソコンの駆動音が入っていない
④衣擦れやクリック音が入っていない
主にこれらが挙がると思います。
バイノーラルマイク収録のデータについても基本的には同様ですが、ホワイトノイズについては別です。
バイノーラル収録データは基本的にホワイトノイズを多量に含みます。
だからこそ、扱いが難しいのです。また、非常に衣擦れやリップノイズが入りやすい。
声優さんもとても気を遣って収録はするのですが、どうしてもその特性ゆえにノイズの残留が多めになります。
だからこそバイノーラル作品は扱いが難しいのです。
というわけで、①〜④の条件が揃っていればいるほど、高品質なデータと言えます。
とはいえ、人間のやることです。当然見落としが発生します。
そこで活躍するのが、マスタリングやミキシングを行う編集者というわけです。
声優さんから受け取るデータは、ある程度は①〜④を取り除いたもの、程度に考えるとよいでしょう。
多少クリック音や衣擦れの音が残っていても、それは声優さんの過失というわけではないです。言うなれば仕様です。
頑張って編集作業に勤しみましょう。
ノイズ除去プロセス
以上のことをふまえて、早速ノイズの除去について勉強していきましょう。
まずは、ソフトに音声データを読み込ませてください。
(続きは各記事を順に読んでいってくださいね!)
1.ホワイトノイズを消す。
2.クリックノイズを消す。
3.リップノイズを消す。
4.その他ノイズを消す。