EQ(イコライザー)ってどう使うの?
目次
EQ(イコライザー)って何?
ざっくり言うと、音質を良い感じにするためのエフェクトです。
実際には音の成分をいじくり回すことで、より理想の音を作り出します。
本当はEQという実物の箱があるんですけど、ここではソフトについている仮想のEQを利用します。
と、これだけお話ししてもまだいまいちピンとこないと思いますので、もう少し説明しますね。
ナレーションに特化して使用例を挙げると、
「この声もうちょっとクリアな感じにしたいな〜」
「もう少し高い声って感じの"印象"を持たせたいな〜」
と考えた際に、EQで味付けをして理想の音に近付けることができます。もちろん逆もできます。
「もうちょっと迫力のある声にしたいな〜」
「今よりも低い声に聞こえるようにしたい!」
と考えた際にも、EQで低・中音域を持ち上げることで理想の音に近付けることができます。
男性の声でしたら中音域を、女性の声でしたら高音域を持ち上げることが多いですね。
もう少し面白い使用例を紹介すると、
「吐息を強調したい!」
「ウィスパーな感じの音にしたい!」
と考えた際には、高音域を強めに持ち上げることで空気感がうまれ、結果ウィスパーな感じになったりもします。
それでは、実際に使ってみましょう。
データをソフトに読み込ませてください。
グラフィックイコライザ(30バンド)を使用する。
エフェクト→フィルターとイコライザ→グラフィックイコライザ(30バンド)を選択する。
選択すると下図のようなウィンドウが開きます。

今回は、呼吸音にもっと存在感を持たせたいので、高音域を持ち上げていきます。
左が低音域、右が高音域です。
上の図のようにつまみを設定してください。(大体でいいです。)
仕上がりを確認するために、ウィンドウ左下のりんごマークをオンにし、その横の▶︎ボタンをクリックします。

再生してみて、仕上がりに満足がいくようでしたら、適用をクリック。
上段と下段のグラフィックが微妙に変化していること、お分かりいただけるでしょうか。
微々たる変化に見えるのでわかりにくいかもしれませんが、上段の波形の形が少し大きく変化し、下段の黄色は一部濃く変化しています。
EQ加工前
EQ加工後
それでは、実際に加工前と加工後の音声データを比較してみましょう。
呼吸音に注目して聞いてみてください。
EQ加工前
EQ加工後
加工後の方が、呼吸音が際立って聞こえるようになっていると思います。
また、同時に声も少しクリアになったのではないでしょうか。
これは、EQで指定した帯域に加工がかかったためです。
あまりにも極端にEQをかけすぎると、耳に痛い音になったり、不自然な仕上がりになってしまうので、いい塩梅のところを各々探していきましょう。
エフェクトの適用範囲を限定して加工することもできる。
タイトルの通りです。適用範囲を全体ではなく、一部にすることもできます。
その場合は、適用範囲をドラッグして指定して、それから適用ボタンを押してください。
どの帯域をどれくらいの数値にすればいいのか、正解が分からないんだけど?
正解はないです。(本当ですよ)
むしろ、EQの腕はその正解を見つけるところに出ます。
とはいえ、素人には奥が深すぎるEQ。
歴戦の猛者たちがEQの数値についてはかなりの数を解説してくださっているので、詳しいことはGoogle先生にうかがいましょう。
ゲシュタルト崩壊に気をつけて使おう。
EQってとても便利なんですけど、かけすぎると微妙な仕上がりになってしまいます。
基本的にはうっすらとかけるのが正解です。(素人は特に)
とはいえ、理想の音を実現するために何度も何度も繰り返しつまみをいじって探っていかなければなりません。
聴覚という非常に微妙な感覚を用いて仕上がりをチェックしていくわけですから、どうしても起きてしまうのが…
ゲシュタルト崩壊٩( ᐛ )و
「あれ?数値いじったけど変化なくない?」
「よくわかんないからもっと強めにEQかけたろ。」
と当然なっていくわけです。
でも不思議と一晩あけて仕上げたものを聞くと、なぜか気持ちの悪い仕上がりになっていたりするんですよね…。
EQは最終調整時にもかけることができるので、最初はうっすらとかけて次の作業に進みましょう。
EQで煮詰まってはダメです。(己への戒め)














